

photo : kyoko photo : kyoko
2021 FW 東京コレクションが幕を閉じた。
私が見た2人のデザイナーは、渋谷ヒカリエのホールがショー会場。
昨年秋に続きコロナ禍での会場は、受付・入場時、招待客のみの人数制限された座席が事前予約のため、私語は一切なくひたすら静かであった。
例年なら専門学校生達が長い列を作り、立ち見席での場所確保でザワザワと騒々しいのが常であるのに...それも含めてのショー会場でもあるのが、今はひたすらスタッフも観客も沈黙で異様の静けさに包まれている。
私は想い出す...
初めてショーを見たのは24、5歳の頃だったかな。
当時私は、創刊されたばかりの女性誌の編集者にスタイリストアシスタントとして付いていて、運良く日本のファッション史に残るような圧巻のショーを、生で見る事が出来たのだった。

PHOTO : KYOTO PRIZE
ISSEY MIYAKE「一枚の布」
その感動は今でも強く残っていて、色褪せることがない。
何十人と並んだモデルの格好良さに加え、ショー自体のダイナミックさ、布のきらめく美しさに心を奪われた。
それは、あの時代のエネルギー、熱い風に吹かれていたのかもしれない。
その後、時代を経て現在は、コレクションのスケールも演出スタイルもまるで違ってきている。でも、観客にとってはショーの開始前のワクワク感は変わらないものだ。
昨今のアパレルが悲しいけれど脆弱で、インターネットの浸透と共にコレクションの存在感が薄くなってきてるのも仕方のないことであろう。
ファッションはその時代を強く反映していて、その社会に生きる人間の模様でもある。
故に私はせっせとコレクションや展示会へ足を運ぶ。
今に生きる人々の欲求を知るために。
そして、こうして秘かに考えたりしている・・・
★Rakuten Fashion Week TOKYO 2021 A/W
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